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戦争廃墟
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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| 人気ランキング: | 21745 位
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昨日の事は現代の眼で見よ
日本全国に点在する大戦の遺跡が丹念に拾いあつめられている。写真はみな重々しく迫力に満ちている。装丁、レイアウトも美しく、文章もうまい。廃墟写真集としてはすばらしい作品なのだが、万人にすすめるには問題がある。戦争を語る深さに欠けているからだ。
この本は「戦争廃墟」と銘打ちながら、相当の紙面を特攻兵器の紹介、元特攻兵のインタビューに費やしている。紹介された元兵士の多くは今なお特攻を肯定しているようだ。二百万をこす同胞を殺され、結局負けてしまったのに、まだ威張っているようにも見える。それは構わない。当人がそう思うのだったらそうなのだろう。特攻隊を尊敬こそすれ、軽蔑する気持ちなど毛頭ない。問題は特攻についてそれだけしかのせなかった著者の方針にある。
著者は特攻のゆゆしさに圧倒され、心酔したようだ。だが自身出撃することなく齢を重ねることのできた人の話だけで、特攻をうんぬんしてよいのだろうか。本当の特攻兵は海底やジャングルで骨となり、何も語らず眠っている。真に耳を傾けるべき相手は彼らだろう。副題がうたう「昨日の事は昨日の眼で見よ」とは、本来そういう意味だろう。だが収録された遺跡はほとんど内地のものばかりで、地上戦が繰りひろげられた大陸や南洋諸島はおろか、沖縄のものさえない。今さら詮ないことだが、なぜそこまで出向いて写真をとってこなかったのだろう。そこで線香の一本でも手向ければ、違った声が聞こえただろう。
死者に心を寄せない限り、「昨日の眼で見る」のは無理だ。それなら現代の眼で見たほうがましだ。かつての著者自身のように、「惨め」、「残虐」といった言葉で戦争をひとくくりにしたほうがいい。
気になることは、ほかにもある。本文中、先の大戦は「大東亜戦争」の名で通されている。それはいい。著者の自由だ。ただなぜこの物議をかもす呼称をあえて使うのか、著者はひとつも説明していない。朽ち果てた戦跡に通ううち、そこに漂う狂おしさ、妖しさを美しさと見誤り、いくさの魔力に取りこまれたのではないか。白刃は血を吸う時にだけその本性をあらわす。美しく見えるのは表面だけだ。気をつけて欲しい。また著者は撮影に際し、許可なく立ち入り禁止の場所に入ったようだ。それを率直に認めながら悪びれていないのも気になる。
色々考えさせられる本
廃墟の写真を見たいのと、特攻隊員だった方達のお話も載っているという事だったので、購入しました。廃墟美というよりも大砲跡などの写真を見て、昔、本当に戦争があったんだなぁと、改めて思いました。また、知っているようで知らなかった特攻の話や、特攻に対する思いなどが伝わってきて色々考えさせられる本でした。多くの人に読んで欲しい本だと思いました。
豊かな詩情
「悲惨な戦争」というありきたりな言葉を超えて、美しさを感じてしまうのは私だけだろうか。たしかに廃墟は物悲しく、父から聞いた戦いの跡地を目にすると「このような場所で」と声もないものがある。しかし、それ以上に「父はここにいて、ありし日のひと時ひと時を生きていたのだ」と実感させてくれる。写真は常に実体に迫る。そして写す側の思いが強ければ、その裏側から時を超える感動を伝えてくれる。
驚きの連続
廃墟の本を探していてたどり着きました。
廃墟ものの戦争遺跡版とでも言うべきですが、とにかく写っている施設が廃墟ものとしてもレベルが高く、また独特の凄さと迫力、美しさがあります。あえてリアリティーにこだわったようですが、それが戦争にリアリティーを感じられない世代へ向けてのメッセージのように感じました。とにかく驚きの連続。廃墟写真に新たなジャンルを切り開いたといえるのではないでしょうか。文章も随所にあり、また元特攻隊隊員の語りもあり、戦争廃墟の持つ深い意味合いが伝わってきて、感動しました。
ミリオン出版
軍事遺産を歩く (ちくま文庫) 戦争遺産探訪 日本編 (文春新書) 図説 日本の軍事遺跡 (ふくろうの本/日本の歴史) 日本の戦争遺跡―保存版ガイド (平凡社新書) ワンダーJAPAN―日本の《異空間》探険マガジン (1(2005 Winter)) (三才ムック (vol.115))
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